The Last Detail

旅と治療の記録。

君はどう生きるか。

12/23の夕方5時半にこの執筆している。

今日の昼、緊急入院した。

 

今週の月曜日辺りから腹部に異変があった。

朝起きて目が覚めると同時に猛烈な腹痛。

しかし波があって、昼間は楽になったり、夜になると痛みが増したり。

痛みを誤魔化しながら生活していた。

 

木曜日、午前中に通院し、過去に投与された抗がん剤の副作用で心筋症リスクが上がっていた為、心臓関係の検査。異常はない。

腹痛は和らいでいたので、「最近お腹の調子が悪い」なんて話を医師としていた。

午後は妹夫婦の家に遊びに行き、モツ鍋食べたり犬や姪と遊んで夜の9時頃にお別れ。

その後、車で帰宅。

駐車場で車から降りた瞬間に猛烈な腹痛。

 

昨晩、とうとう痛みで歩けなくなった。

正確に言えば歩けるのだが、一歩一歩に激痛を伴う。

病院に電話すると今から救急外来に来てくれと一言。

救急車を呼んでもいいと言われたが、なんか変な正義感があって救急車をタクシー代わりに使うべきでないと思い電車で向かう。

この時夜10時すぎ。

もう駅の階段を上り下りするのがシンドい。

あってよかったエスカレーター。

強風で京葉線は遅延していて、乗り換えの為に南船橋の極寒のホームで電車を待つ。

新木場からは久々のタクシー。1900円。

「お釣りいらないから」と2,000円出して病院の守衛室へ。

 

深夜に病院に到着し緊急検査したが異常の原因がわからず、入院できない。

翌朝から診察予約が入っていたので病院前のホテルに一泊して、翌朝は再び病院へ。

お腹はヤバいレベルで痛い。

昼前に、深夜に撮影したCTの解析が進んで原因がわかってきた。

後腹膜の近くにある血管が何らかの原因で炎症を起こしているらしい。

しかし原因が特定できないので治療ができない。

午後からは国立がん研で治験に向けた準備検査をする予定だったのだが予約は強制キャンセルされ、そのまま入院となった。

 

 

この世にN山という男が存在する。

高校の同級生である。

俺2人分の体重の巨漢でビッグマックと二郎系をこよなく愛す。

「持ってるだけで儲かる」とトルコリラに手を出して給料3ヶ月分を吹き飛ばした。

競馬で勝つたびに吉原の話をしているが正常位で嬢が(脂肪により)窒息死しないかいつも心配している。

昨日、妹夫婦の家から車で帰る途中、運転しながらハンズフリー通話で中山に電話をした。

妹夫婦とモツ鍋を食べている間に不在着信があったから折り返したのだ。

旦那さんが買ってきてくれた地元肉屋のオススメのモツは、「モツの角煮」と形容できるほどデカくてトロトロで美味しかったです。話が逸れました。

「管理してる現場の警備員がコンビニのレンジで雨で濡れた手袋を温めて発火してボヤ騒ぎを起こしてそのまま警備員が逃走して警察から電話がきた」という話を聞いたあと、彼の声を聞いてるうちにフッと頭の中で石コロを連想した。

 

彼は数ヶ月前に尿管結石にかかっていた。

腎臓や泌尿器に石コロができて、その石コロが尿道から排泄されるという「男性が味わう最大の激痛」である。出産と争う痛み。

神様はキチンと見ている。彼は尿管結石になった。

グループLINEで尿管結石の痛みを語っていた彼の声を聞いて、京葉高速を運転しながら俺は思った。

 

「あれ?この腹痛、尿管結石じゃね?」

全ては勘違いから始まった。

駐車場で車を降りた時の激痛で、もう尿管結石だと思い込んだ。

深夜に病院着いた後も「尿管結石かも」と伝えていた。

癌になる前はラーメン二郎愛好家だった俺の身体に結石があってもおかしくはない。

癌になった後もたま〜〜〜に誘惑に負けて二郎系を食しているが(N山には「緩やかな自殺」と言われている)が、3ヶ月に一度くらいのペースだ。毎日のようにビッグマック食ってラーメン食って結石になったバカとは違う。

「このタイミングで結石はおかしい」と彼との電話で俺は言っていたのだが、その通りだった。後腹膜線維症の疑い?

病名は良いから治してくれ。

原因がわからないので今もベッドに寝て放置されているだけである。

 

1番許せないのはN山。

「人の不幸は蜜の味だからな〜」

「いや尿管結石はめっちゃ痛いよ(笑)」

「(何科受診した?)結局泌尿器科に行ったけどCT撮ったらすぐ原因わかったよ」

「検査の結果が楽しみだわ〜(笑)」

 

あのさあ。。

お前さあ。。

人としてさあ。。

末期癌と言われてステージ4と言われてる友人にさあ。。

どういうこと?

そんなんだから千葉工業大学AO入試に落ちるんじゃない?

あんなの普通落ちたくても落ちないよ?

俺が中学生の時、同級生が放課後「忍者だあ!」ってホウキで教室の天井突いて穴開けて担任に激怒されていたが、彼も合格しました。

千葉工業大学の面接官は受験生の心の中を見透かしてるんだよ。

確かに偏差値は高くない。

けどロボット研究なんかは日本の大学屈指のレベルである千葉工大

学力ではなく「夢を掴みたい」「学生生活をやり直したい」「挑戦したい」学生にチャンスを与えるAO入試

「こんなバカ大学簡単に受かるだろw」と玉砕したあの頃から君は何も変わってない。

ごめん。

ちょっと言いすぎたかもしれない。

これ読んで泣いてたら俺は君に謝るよ。

また来年、野郎共で旅行に行こうな。

 

 

話が変わるが実家にいる母方の祖母が完全にボケてしまったらしい。

人を介して聞いた話によれば排泄の感覚もなくなってしまったらしい。

近くの介護施設に手伝って貰うべきだと思うがお金がかかる。

しかし詳しく聞いてみると、行政のケアマネジャーに相談すらしてないらしい。バカなんじゃないかコイツら。

ケアマネに相談して介護等級上がるなりすれば介護保険の適用範囲も上がって行政からの支援も増える。

まずは行政や介護のケアマネと話し合うべきなのだが、祖母の娘3人、誰もやっていないらしいのだ。

過去の祖父母や大叔父の入院の旅に娘3人のうちの次女である叔母が全部やってきたので、次女が限界なのはわかるが後の2人は、片方は立ち回りが上手いだけで実質何もしていない人、片方は息子(俺)に全部任せてきた人。お見舞いに顔を出して適当に土産持ってけば役割を果たしていると勘違いしている。

金銭管理をしてケアマネや病院側と話し合い介護や治療の方向を決めて日常生活のサポートをして初めて役割を果たしたと言えると思うのだが。

朝4時半に起きて掃除をする前にやるべき事が他にあると思うが、優先順位がわからないのかもしれない。

実家側は俺が実家に帰ってくるのを望んでいるようで、「癌で大変なんだから実家に戻りなさい」と言うがそれは表面的な建前で、体質は全く変わっていなさそうだ。要するに本音は、「祖母がヤバい。決定する責任から逃れたい。主導権を握りたくない。」から「癌ならご飯も洗濯も寝る場所も提供してあげる。その代わり実家に金を入れろ。祖父母の面倒も全部やってくれ」という話なのだろう。

自分より弱い立場の人間を独占し、束縛し、命令し、脅す。それが我が家の低レベルな処世術なのだ。

曽祖父の時にあった遺産時価2億は、無責任な方々の立ち振る舞いにより消失し続けている。最後の土地も時間の問題だろう。俺の養子縁組破綻により、終末は見え始めている。養子破綻の原因は祖母にもあるので、まあ自業自得ではある。過去に親族が作った莫大な借金も、祖母が一つの大きな原因だった。この境遇に誰も異論を唱えないのは不思議ではない。

俺は養子になってまで実家を存続させる為に出来る限りのことをやった。従姉妹達は祖父母のことなんて興味ないだろう。「遊びに行く」だけで祖父母にいくらでも可愛がられる。

将来について話し合い理解し協力し合わねばならない先程の3人が、いや2人が、くだらない処世術に依存している。

数千万の借金を作り祖父母の土地の一部を吹き飛ばした事は遠い過去、無かったことにして娘とお揃いのラルフローレンを着る。その前にやるべき事があると思うのだが、言っても彼女は理解しないだろう。

 

俺は癌になって初めて入院した時に、残りの人生を社会貢献に費やすと決めた。

その後、政治団体の知り合いを介してコロナ禍の病院の労働組合を支援して厚労省への陳情活動に行ったり、患者会で四苦八苦したり、本職として自動車学校の教官として働いている。

残りの人生をあなたはどう使い切るか。

自分の私利私欲の為に使う人、家族との時間に使う人、趣味に、仕事に、恋人に、旅に。。

そこに正解はない。

 

ただ大切なことは、「何をするか」「何を成し遂げるか」ではなく、「どう生きるか」ではないだろうか。

 

私はどう生きるか。

君はどう生きるか。