The Last Detail

旅と治療の記録。

がん宣告

11月下旬に地元の病院へ行き、以前から気になっていた右膝内側の腫瘍を見てもらいました。レントゲン、MRI検査の結果が出たのが12月中旬。

担当医は、去年、僕の祖母が転倒し骨折した時に手術をしてくださった整形外科医だったのですが、レントゲンとMRIの写真を見て即刻、

医「原因がわからない。こんな腫瘍はあまり見たことがない。軟部腫瘍に詳しい大きい病院に行って欲しい。紹介状を出します。癌ではないと思います。」と言われて紹介されたのががん研病院でした。

「がんではない」という言葉は決して安易な言葉ではなく、僕を安心させる言葉だったのだと思います。おそらくこの医師は、癌を疑っていたのだろうと思い、紹介状を出したのだと思いますし、恨むどころか感謝しています。

 

----12/26----

 

12/26にがん研病院に行きました。紹介状やレントゲン関係の資料を提出。

大変混み合っている病院でした。

今まで自分が見たこともないような大きな病院で驚きました。

そこにいる人は皆、癌患者か、癌の疑いのある患者です。

大勢です。

癌という病気はそれまで、とても稀な病気で、言い方は悪いけれど、「1万に1人いるような稀な、不運な病気」と思っていましたが、全く違いました。

 

僕の腫瘍(あざ)を医師に見せて、最近「太ももの付け根も痛い」と言った(太ももの件が病状判明のきっかけになった)ところ、すぐに腫瘍のサンプル摘出になりました。

麻酔注射やったあと、採血の注射器の10倍くらいの大きさの注射器で、シュコシュコと5回、腫瘍のサンプルを抜かれました。サンプルは5mmくらいの線状。

 

その後2時間ほど待ち、呼ばれて医師のところに行き

医者「類上皮肉腫かと思います。悪性腫瘍です」

ぼく「肉腫って、詳しくないですけど結局癌じゃないんですよね!?笑」

(((((2、3秒の間)))))

医者「...がんですよ?」

ぼく「嘘でしょ!?!?!??!?」

 

これが僕の癌告知です。

ドラマや映画の癌告知は、やっぱりファンタジーですね。

心のどこかに、最後まで、がんじゃないって信じたい心が、誰にでもあるのではないでしょうか。

 

医者「がんというのは、癌細胞と肉腫(悪性腫瘍)に分けられます。悪性腫瘍なのでがんです。」

ぼく「えー.....右足切断ですか。」

 

そこで医者から説明を受けたのは下記

 

・右膝内側に2cm程度の肉腫。それは線状に上下に伸びており転移の可能性が高い。

・「リンパ節(太もも付け根)が痛い」という言葉で、すぐに類上皮肉腫を疑った。

・1年間に100人も罹患する人がおらず、症例が少ない。故に抗がん剤がない。外科手術と放射線治療に頼るしかない。

・PET-CT検査の枠が整形外科に限りがある。明日、緊急で転移状況を調べたい。

 

※PET-CTは放射性物質を含む薬液を静脈注射し検査するCT検査。一回に3万円かかる。

 

----12/27----

昼に会社に行き事情説明。

会社常駐の保険担当者と医療費給付手続きの話し合い。

電車が遅れており、八丁堀から日の丸タクシーで病院へ。

 

運転手「この前、知り合いが工事中の道路の穴に落ちちゃったんですよ〜ww」

ぼく「なにそれバカじゃんwwwww」

 

病院着。

 

すぐに地下の核医学室に案内され、PET-CT。

 

初めに放射線物質を含んだ薬液を静脈注射。

1分間注射しますが、その間、医師と看護師は顔の部分にだけ穴が空いた壁の外側で僕を監視します。医師に被曝の可能性があるから。人生の中でもっとも気まづい1分間。

 

終了後、秒速で医師が僕の体に機械をあてて被曝検査をします。

 

医師「38です」

看護師「はい」

 

この数字はおそらく、被曝線量のシーベルトを意味していると思いますが、深くは聞きませんでした。

 

その後、別室のリクライニングシートで1時間寝ます。

寝る前と寝た後にコップ3~5杯の水を飲み、体に薬液を循環させます。

 

そしてCT検査が20分。

 

結果は転移あり。

やはりリンパ節に小さな腫瘍がありました。

 

1/9に手術前検査でがん研に行きます。

その時にもう一度MRI等を撮影し、正確な情報を得て手術に備えるそうです。

おそらく癌研のMRIもその辺の病院にあるMRIとは質が違うのでしょう。。

 

手術は

・現段階で右足切断の必要はない

・肉腫が大きく、皮膚ごと切除する。

・切除する皮膚が大きいので、他の部位から皮膚移植する

・転移部位は後日放射線治療

 

癌宣告は割と冷静に受け止めています。

なんとなく、そんな気がしていたから。