The Last Detail

旅と治療の記録。

出雲旅その② 出雲大社と島根ワイナリー

寝台特急サンライズ出雲と別れ、一畑電車へ乗り換える。

電鉄出雲市駅から30分ほどで出雲大社駅へ向かう。

小さな待合室はサンライズから流れ込んだ乗客で溢れんばかり。

一畑電車に自動改札なんてものはない。検札で改札を抜ける為に切符を買う必要がある。券売機はSuicaが使えた。ちゃんと時代に追いつこうとしている。

検札を通り抜けて2階のホームへ上がると2両編成、オレンジ色の小さなディーゼル車がいた。

乗車して席に座る。4人ボックス席は避けたい。2人席。なるほどね。壁があるからプライバシーに守られて旅を楽しめる訳か。カップルには嬉しいだろうな〜。

一畑電車松江線で川跡駅で乗り換えて一畑電車大社線出雲大社へ向かう。

川跡駅では古いディーゼル車から新型に乗り換え(写真右から左)たが、自分は古いディーゼル車の方が気に入っていた。

 

「割と混んでるな〜」なんて思いながら出雲大社駅に到着。

するとあら。隣のホームに有名なデハニ50が保存展示されていた。レトロな車体。ええなぁ。

タイフォンのラッパがレトロで可愛い。

1928年、日本車輌名古屋で竣工。

対外用小手荷物付付随電車という名目で一畑電車から注文を受けて製造された。

ドアは手動。「日本における、手動ドアを装備した最後の旅客営業用電車」であり2009年に引退した。

写真のデハニ52と53が保存されていて、デハニ53は現在も体験運転などのイベントで使用されているそうだ。めっちゃ楽しそう。

www.ichibata.co.jp

 

レトロな改札を抜けて駅舎に入る。

観光用のパンフレットを漁り、駅舎を出たら大きな鳥居に向かって一本道を歩くだけ。

すぐ側のスタバでフラペチーノ買って飲みながら散策しようかと思ったが、神様の前で失礼かと思いやめた。境内にゴミ箱もないだろうし。

 

鳥居で一礼し境内へ。

それなりに観光客はいる。

本殿へ向けて坂を下り、本殿へ向けて上り、歩き続ける。手術後の脚には辛い。

 

拝殿へ到着する。

出雲大社は二礼四拍一礼が作法らしい。

広い境内。

裏へ向かうと本殿につながる八足門が。拝殿よりもここがメインなのかもしれない。賽銭箱の横には皇室の下賜を伝える板が掲示されていた。出雲大社伊勢神宮は皇室の血統の証明であり天皇制の根拠となる社なので皇室との繋がりが深いのだろう。

八足門の裏に本殿があるのだが、奈良平安時代から多くの変遷を経て本殿は建て替えられてきたらしい。

奈良平安時代の本殿は高さ50mほどあり、長大や階段で参拝していたとか。「根拠のない神話」とバカにされてきたが近年、本殿近くの地中から当時の本殿の基礎が発掘されてしまい、この説の信憑性を高める結果となった。本殿そのものは非公開。

 

拝殿の裏が御朱印の記帳所だったので、初めて御朱印帳を買って御朱印も記帳して頂いた。出雲大社オリジナルの御朱印帳。これは良い記念になる。神社を訪れる度に御朱印帳も持っていくようにしよう。

 

少し歩いて神楽殿に到着。

楽殿は本来、出雲大社宮司である千家國造家の大広間として使われており、昭和56年に建て替えられ現在は結婚式などでも使われているらしい。こんな所で披露宴やったら莫大な金がかかるんだろうな。格式も最高クラスだし皇室レベルの結婚式じゃないと使用できないだろう。

出雲大社で有名なのは何と言ってもしめ縄だろう。

楽殿のしめ縄は日本最大級。5.2トン、13.6メートルに及ぶ。とにかくデカい。デカい。それしか感想が出てこない。デカい。

ただ、思ったより見るところがない出雲大社

大社から歩いて10分ほどの島根県古代出雲歴史博物館で国宝などを見学。

スタッフがやけに丁寧で、入館して展示館に入ると1人付き添いでお姉さんがついてきてくれて、最初、簡単な見学の概要を説明してくださったり、鎌倉時代に大社を支えていたとされる木柱の展示解説をしてくださった。やけに親切。神道への信者を増やしたいのだろうか。でも県立博物館だしな。

常設、特別、映像館のような形で大きく3箇所に分かれていたと思う。

出土品の見学は楽しかった。

当時の太刀やら豪族が着飾った宝飾品の品々、後は大量に出土したらしい神事に使用したとされる銅鐘とか。

駅に戻ってきた。

時間が余ったので、島根ワイナリーを訪れることに。

隣の駅なのですぐに着いた。

やることは試飲と工場見学。当然だ。

とは言ってもこの日は瓶詰め作業をしていなかったので工場は稼働していなかったが、ワインの貯蔵タンクや、工場そのものは見学することができた。

ワインの試飲は少し混んでいたが、普段ほとんど飲まない分、色々と試飲していたらあっという間にヘロヘロになってしまった。

1人なのでホテルで飲もうと小瓶のワインと牡蠣缶、チーズを購入。

島根ワイナリーで売られているワインはそこまで高くはないし、甘くて美味しい。島根ワインってこんなに美味しかったんだ〜と思った。関東で買うと少し高くなるんだろうな。

ワイナリーを見学し終えて米子駅へ戻ることに。

一度ホテルへチェックインして一休みし、せっかくなので山陰本線に乗ってぶらり旅へ。東へ向かうと松江や米子など、主要観光都市へ向かう。西行きの普通列車に乗った。

サンライズから一畑電車に乗り換えた時は気づかなかったが出雲市駅舎って出雲大社に似せてるんだね。

乗車すると、思いの外多くの学生が乗っていた。というか、学生がほとんどだ。2両編成の列車が中高生に占拠されている。

出雲市駅から離れるにつれて学生の数は減っていき、車窓も日本海の景色を描き始める。

このまま乗車し続けても意味がない。

どこか、海沿いの、何もない、古い駅舎のホームに下車しよう。そう決めた。

 

波根駅

駅名のセンスもいい。ここで降りてみよう。

 

途中下車のない人生なんて...

 

がむしゃらに降りずに時刻表を見て下車したので、30分ほどで折り返しの列車が来る。

列車の接近を告げるアナウンスと共にホームへ出る。寒い。駅の前に並ぶ民家の後ろは日本海だ。潮風が吹き付ける。

ホームに立つと待合室で隣に座っていた旅人に「反対側のホームだよ〜」なんて言われて御礼を言う。

やがて列車が入線したものの、ドアが開かない。

あれ?ワンマン運転は前降り後ろ乗りだよな?なんて思っていたら、ドアの横にシールが貼られており「先頭車の後方ドアが開く」と書かれていた。

ダッシュでドアまで走り乗車。

ワンマンって慣れてないとわかりづらい。

整理券取り忘れたら終わりだしな。

出雲市駅前に到着したのは陽が落ちた後。

ホームに降りると隣に変わった車輌が。

なんだあれ?

小走りで隣のホームへ上がり写真を撮る。

115系G編成というらしい。

出雲市側(2枚目)はノッペリとした顔をしているが、中間車輌を無理矢理先頭車に改造した結果らしい。

なんだかヘンテコな改造だ。誰か止めなかったのか??

駅近くの回転寿司で夕飯を済ませてホテルへ。

一階はアルコールを含めたドリンクバーがあり、夜8時頃まで利用できるのでそこで翌日の旅程を立てた。

 

島根ワイナリー土産で晩酌。

牡蠣缶はめっちゃ美味しかった。

長い1日が終結した。