The Last Detail

旅と治療の記録。

エリザベス二世を褒め称えよ。

 

第二次大戦時、チャーチル政権下、軍用トラックの運転手として従軍したエリザベス2世(1番左の女性)。当時はまだ王女でした。大英帝国というキリスト国教の君主として、戦後の民主主義とキリスト王政の共存を実現し、イギリスだけでなくキリスト信徒を神と共に見守って下さった象徴でした。Netflix「クラウン」の大ヒットにより大作ドラマを通じて若者も女王の生涯を知ることができます。下手すると、情報に強い若者の方が王室について詳しいかもしれませんね。

英国王室は立憲君主としての模範であり、明治以降の日本の天皇制に偉大な影響をもたらしました。それは時代の節目ごとに良くも悪くも日本に影響を与えました。昭和天皇が絶対とした立憲君主の模範であったのは英国王室であり、ジョージ6世とエリザベス2世でした。これは宮内庁も認める紛れもない事実です。昭和天皇国家神道を信仰とした君主でしたが、戦功目当てに中国戦線を泥沼化させた無責任な軍部と戦勝に沸く国民..「同調圧力が好きな」国民性により冷静さを失い、日本国民は幾らでも引き返せたのに国を滅ぼす戦争に向かいました。しかし昭和天皇は、その道が破滅に繋がることを予期し理解していました。昭和天皇には神道への信仰がありました。戦前は現人神であった昭和天皇は戦後、愚かな日本国民が生まれ変わる模範となりました。君主、首相、国民に信仰が存在するか否か。例え仏教であれ、イスラム教であれ、信仰を失った国民は滅びます。衰退が止まらない現在の日本にも言えることです。信仰は人を強くします。信仰のある者は、例え犯罪者になろうと正しいことを貫き通す強さがあります。ヒトラー暗殺(未遂)に関わり処刑された軍人は、ナチ政権下において彼等は犯罪者であり、死刑に処されました。しかし彼等は戦後、全世界から祝福されました。真に罪か否かは、神が裁くものです。


「ここは日本だ」という保守派がいます。無知であり恥ずかしいことです。日本の天皇制は、大日本帝国が誕生した時から今に至るまで、キリスト国教を信仰とする英国王室を手本として、必死に英国の真似をしてきたのです。明治天皇も、昭和天皇も、悩んだ時はイギリスの立憲君主の在り方を模範にし続けました。秋篠宮様の子育て方針もイギリス王室から多大な影響を受けていることは一目瞭然です。そしてそれは恥ではなく、誇るべきことです。「ここは日本だ」なんて恥ずかしいことをよく口にできると思います。あなたは天皇陛下の敵です。そもそも、保守派のいう「ここは日本」とは何なのでしょうか?


「自由、民主、公平、信仰、悔罪」はキリスト教の価値観の根本です。戦後は人種差別や性差別の撤廃だけでなく、スト権を含めた労働者の権利と王政君主という相容れない矛盾した精神の共存を女王は実現させました。いや、実現したのは議会です。しかし女王は、共存の精神の象徴でありました。一連の王政改革は女王の実績です。王室の改革にはチャーチルなど、保守的な者の中に反対者はいました。サッチャーなど、険悪と言われた首相もいましたが、最後に勝ったのはいつも女王でした。イギリス国民は最後には女王を支持しました。

女王統治下で初の(戦後王政廃止を主張した党)労働党政権となったウィルソン内閣、サッチャー政権の新自由主義政策とフォークランド紛争。女王が苦悩した時、そこにはキリストへの信仰と神の救いがあったと信じます。

7年前、ハプスブルク=ロートリンゲン家の王宮を幾つか訪ねました。ウィーンだけでホーフブルク王宮、シェーンブルン宮殿ベルヴェデーレ宮殿..シュテファン寺院、カールス教会。全て訪ねました。パソコンの記録を見ないと訪ねた場所の全ては思い出せません。ウィーンは偉大なキリスト教と王朝の街です。第一次大戦で帝国と王制は滅亡しましたが、今もオーストリア国民の信仰と愛国心に強い影響を与えています。何より、オーストリア国民はかつての王政を誇っているのです。私はこの旅を通じてキリスト教君主制、民主主義国家、憲法の共存は可能だと信じました。

今、CNNでチャールズ3世が北アイルランドに向かう様子を報道してます。英国国教のカトリックプロテスタントも、北アイルランド紛争においてエリザベス二世が和平において重要な役割を担ったのは認めています。アイルランドを巡り戦後イギリスは分断され、混乱し続けてきました。マウントバッテン卿の死は、私は卿を尊敬しませんが、卿がアイルランド民族派勢力により暗殺されたのは悲劇でした。

エリザベス二世の死が、英国王室の分断を招かないことを祈っています。


教会の恩師が今年の初夏に亡くなりましたが、エリザベス女王と共に逝かれるとは...流石です。恩師は少年時代に東京大空襲を駅のホーム下に逃げ込みやり過ごし、焼け野原の中でキリストへの信仰に目覚めました。私の人生に多大な影響を与えました。

 


エリザベス二世、女王陛下に主の祝福がありますように。

 


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力と気品とは彼女の着物である、そして後の日を笑っている。

彼女は口を開いて知恵を語る、その舌にはいつくしみの教がある。

彼女は家の事をよくかえりみ、怠りのかてを食べることをしない。

その子らは立ち上がって彼女を祝し、その夫もまた彼女をほめたたえて言う、

 「りっぱに事をなし遂げる女は多いけれども、あなたはそのすべてにまさっている」と。

あでやかさは偽りであり、美しさはつかのまである、しかし主を恐れる女はほめたたえられる。

その手の働きの実を彼女に与え、その行いのために彼女を町の門でほめたたえよ。

旧約聖書箴言31章25-31