The Last Detail

旅と治療の記録。

抗がん剤治療に向けて

昨年の11月に撮影したPET-CTで、肉腫が全身に転移していることが発覚し、ステージⅣ(末期癌)を告知された。

転移が確認されたのは肺、背骨。左脚や背中にも点々と転移と思しき影が見られたが確定はできなかった。

本来、軟部肉腫に対する治療は腫瘍と考えられる部位を全て外科手術により切除して再発を防ぎながら寛解を目指すのだが、多発転移が認められた以上、全てを切除することは不可能となった。

今後外科手術をするのであれば、痛みが酷く日常生活に影響を及ぼすような症状の場合にのみ当該腫瘍を切除する方向となる。要するに、寛解ではなく痛みを切除することでQOLを維持することしか期待できないということ。

 

しかしながらどうにかして、これ以上の転移や腫瘍の浸潤は防がなければならないので、抗がん剤治療を始めようかということになったのが昨年の11月の話。

 

医師との最初の話し合いでは12月から抗がん剤治療を開始するかという話になったのだが、背骨の腫瘍は既に痛みを感じるほどの大きさ(2cmほど)となっていた。

抗がん剤治療を始めてしまうと骨髄にダメージが出てしまい白血球等が減少するため、外科手術や放射線治療ができなくなる。そのため、抗がん剤治療を始める前に、背骨の腫瘍に放射線を照射して痛みを和らげ、腫瘍を弱らせることを優先することにした。

 

12月に10回の照射をしたのだが、2回目の放射線治療だったので特に緊張もなく終えた。1回目の放射線治療は21年の3月~4月の間に行った33回の照射で、66Gyという強めの照射を行った為に皮膚が火傷したような状態になったが、今回は30Gyだったので大した副作用もなく放射線治療を終えた。

 

で、年明けから抗がん剤治療が始まるので年末年始に北海道の鉄道旅を楽しんだ。治療と仕事の間の束の間の休息である。

 

類上皮肉腫には適合する抗がん剤がなく、一時は臨床試験への参加等の話も医師からあったが結局、見合った治験薬も見つからなかったようで、AC治療(アドリアマイシン)による抗がん剤治療を2月から行うこととなった。今週の木曜日に初投与となる。