北海道DAY③ 〜旭山動物園、孤独のかすみん〜
朝起きるやん?
開園時間に合わせてホテル出て、バス乗るやん?
9時半前に旭山動物園に着くやん?
閉まってる訳ですよ。今は冬期営業で10時半開園だから。
勘違いして、夏期開園時間の9時半に合わせて来園しちゃったんですよ。
もうね、ほんとね、アホかと思ったね。
私は「丁寧な旅」をしたいので、ベンチで開園を待とうとか、1番乗りする為に入場口に並んでようとか、そういうことはしない。ではどうしたか?
....勘のいい読者の御賢察通り、いつもの「放浪」が始まったのだ。
旭山動物園から米飯川に向かって歩いてみたのだが、美しい景色に恵まれすぎている。ボーッと景色を眺めていた。
3、40分散策して動物園の入場口に戻ってくると、とんでもない行列ができている。許せない。安倍政権が悪い。
問.一番乗りにも関わらず行列の最後尾に並ぶ私の気持ちを述べよ。(配点100)
開園時刻の10時半すぎに無事入場。11時からは例のアレが始まるので、皆、ペンギンがいる方向へ向かっていく。
旭山動物園名物のペンギンの散歩。これほど間近でペンギンを見るのは初めてで貴重な経験だった。もうペンギンが目の前に来るのよ。距離が1mもない。ペンギンの毛並みとか、瞳とか、至近距離で観察できる。目の前をペタペタ歩いていく。
至近距離で見れるというとホッキョクグマも凄いんだ。
近すぎでは???
横を振り向いたらシロクマがいてビックリしたぞ。驚かすなよお前。
シロクマとお別れするとホッキョクギツネが現れた。かわいい。ポケモンみたいにモンスターボール投げたらGETできないかな。できるかな?できるよな?これで俺もポケモンマスター。
旭山動物園は、飼育している動物の種類は少ない気がしたが、その変わり北海道固有の動物が沢山いる。
旭山動物園といったら、テレビでよく見るこれ。
ただ、本気でビビったのはアザラシなんかじゃなかった。
でけえ。
カバが泳いでる。。。
どいうことだ。。
すげえ。。
魔物か???
後ろ姿、鈍臭くて草。
旭山動物園はアザラシやカバのように、展示方法を工夫しているのが面白い。
面白いといえばこれ。
何の変哲もないヒョウ。
真下から見れるのである。。
この状態でウンコされたらどうなるんだろう。。
午後2時前には見終わって動物園を出たのだが、この時、自分は大きな問題を抱えていた。
昼飯を食べてないのだ。
園内の食堂はどこも満席で長い行列ができている。入店できない。日本人は馬鹿なのか?なぜそこまで行列に並びたがるのか。同調圧力の権化か?退園した後、市内で飯を食えばいいじゃないか。地元民はどうせ車だろ?園内で冷凍のホットドッグや店員が調理しただけのインスタント製のラーメンを食べることにそれ程の価値があるのか?お前らのせいで俺が昼飯を食べられないんだ。安倍政権が悪い。
仕方がないので昼飯を我慢してバスに乗り、北海道護国神社へお参り。
北の大地の粉雪が鳥居に降り積り、神域を一層神々しく昇華させていた。
お参りも済み、飯を食べることにした。
旭川だ。昨日は回転寿司に行ったし、今日はラーメンでいいだろう。
動物園の温度計はマイナス2度だった。
ヒートテックを着込んでいるとは言え、やはり寒いんだ。特に手が凍える。激アツなラーメンが食いたい。身体を芯から温めるスープ。「アブラ」「麺」「豚」を貪り我が血と肉に変貌させるのだ。命を頂き我が命とするのだ。ラーメンを食べるのは神聖な宗教的儀式と言っても過言ではない。事前の情報収集で全てが決まる。そこには妥協も油断も許されない。
御用達のラーメンデータベースでちゃちゃっと検索し、獲物を決めた。
私の問い掛けに対する答えは、市内の小綺麗な繁華街の裏路地に存在していた。
事前にリサーチしていた「醤油ラーメン」に「煮卵」を追加。
注文はハッキリと言うのが礼儀だ。
「ラードはどうしますか?」と聞かれる。
事前情報によればこの店は焦がしラードが引き立てる醤油スープの味が有名で、そのラードを濃いめにするか普通にするかを俺に聞いているんだ(激怒)(焦)(歓喜)
「普通で」
マスク越しにハッキリと答えた。
元ジロリアンとは言え、ラードを濃くすることで店主が研究を重ねた醤油スープの味が損なわれることを危惧したのだ。
注文してから数分で着丼した。早い。
Love.......
これが「愛」なんだね......
最高だよ。
レンゲでスープを一口飲んでみる。
Oh........
スープにコカインでも入ってんじゃねえのか?
めっちゃ美味いぞ。
焦がしラードの風味が醤油を引き立てている。
今まであまり食べたことのないタイプの醤油ラーメンだ。
麺は細麺。豚はホロホロのタイプだ。これがまた濃いベースの醤油スープと合う。
メンマとネギがちょい多めなのがいい。
濃いスープを味わう中で適度に食べるメンマとネギが、寿司でいうガリの役割を果たしてくれている。
麺→スープ→ネギorメンマ→スープ→麺→豚
こんなループを宗教的に繰り返しているうちに麺がなくなってしまった。
なんだもう終わりか。がっかりだ。
もっと食べたかったのに。
しかし私は忘れていなかった。
煮卵が残っているのだ。
ちょっとだけ齧る。半熟だ。次は丸ごと口に入れて素早くスープを流し込む。
口の中で漂う焦がしラードの香り、スープ、半熟の黄身トロットロのやつ。
完食した丼の前で讃美歌を歌いたい気持ちを押し殺し、お会計。900円。このクオリティなら安い。
颯爽と店を出て駅に向かったが、お店に忘れ物をして数分後に店に舞い戻った。
こうして今日も何気ない旅が終わっていく。
長くも短い一日。
明日はどんな一日になるだろう。
そんなことを思いながら、旭川のネオンの中を歩く。
きっと良い一日になるだろう。